COLUMNコラム

飲食店において「2種類の動線設計」を考える重要性

「動線設計」は誰のためのものか?

狭い店舗でも広い店舗でも一律に影響するのが、「動線を考える」ということです。
つまり、お客様が来店してからどのようなルートを辿って、席に着き、どのくらい席に滞在してどのように店舗から出ていくのかということです。

動線設計はお客様に負担のないようにするのと同様、従業員にとっても動線設計がしっかりとしていることが真の動線設計であるということを理解しておくことが大切です。

従業員が「働きにくい」と思っていては、それが少なからずお客様に伝わり、「なんだか忙しそうだ」、「しっかりと接客してもらえなかった」という印象をもたれてしまいます。

そうなってしまっては最悪の場合従業員が辞めてしまう、もしくはお客様に「なんだか居心地がわるい」と思われて、大事なリピーターを減らしてしまうことにもつながりかねません。

動線設計はお客様のため、従業員のため、そして何よりも店舗や会社を存続させるためにも大切なのです。

お客様も従業員も過ごしやすい「動線設計」のコツ

では、お客様にとっても、従業員にとっても過ごしやすい動線を設計していくにはどのような点に気をつけていくべきなのでしょうか?
これに関しては一緒に考えてしまうと混乱してしまいがちなので、ひとつずつ分けて見ていきましょう。

お客様視点で考える

まず、基本的なこととしては動線は入り口・レジ・お店の奥がつながっていることが重要な要素です。

他には例えば、入店後のお手洗いまでの動線なども考えていかなくてはならない点です。
誰もがトイレのすぐ横で食事をしたいとは思わないでしょう。
お手洗いはなるべく食事中に目につかずに、かつ行きたいと思えばすぐに見つけられるような動線設計をしていく必要があります。

そして最も重要なことはお客様がそこに長く滞在したいと思うような顧客満足度を高めるような動線設計が大切です。

従業員視点で考える

人の流れを自然に生み出せるような動線設計をすることで、回転率を高めることができます。
そうすることで、無駄なく従業員が労働できるため、余分に人数を割く必要がなくなり、人件費の削減にもつながります。
加えて、従業員が気持ちよく働けるため、仕事満足度も高まります。

例えば、一般的に飲食店の厨房は広くすれば、対応も楽になると考えがちです。
しかし、たとえ狭い面積しか取れないにしても、しっかりと設計されたキッチンにおいては人数は避けない代わりに、一人一人の作業効率が上がる可能性があります。

このような細かな設計が間接的に顧客満足度を上げ、リピーターを作っていくことにもつながっていきます。

トータルで考えた動線設計を

スタッフもお客様もお店の動線設計を考えるに際して、欠かせない要素になります。
お客様の動線とスタッフの作業動線をまずは混同せずに、どちらも犠牲にせずにかつ、お店を居心地しやすくする必要があります。
クリアデザインではしっかりとしたヒアリングから始まり、人間中心設計をベースにお客様、従業員のどちらにとってもベストな店舗の動線設計をしていきます。