COLUMNコラム

食品ロスだけじゃない。飲食店が取り組むべき環境政策

消費者庁が発表した「食品ロス削減関係参考資料」によれば、国内の食品廃棄物は年間2,842万トン。そのうち、本来食べられるにもかかわらず捨てられている「食品ロス」量は年間646万トンにも上ります。他方、農林水産省によると、日本の食料自給率は37%と、先進国のなかではもっとも低い水準となっており(平成30年度)、食料の多くを輸入に頼っています。食品ロス問題は深刻さを増すばかりです。

捨てられているのは食料だけではありません。たとえば、飲食店で利用されるストローや容器など、大量のプラスチック製品が廃棄されており、環境への関心の高まりから、社会問題となっています。気になるトピックを取り上げ、これから求められる店舗作りのヒントを探ります。

飲食店に広がるストローの廃止

経済産業省によれば、日本では年間およそ900万トンの廃プラスチックが排出されています。そのうちのおよそ150万トンがこれまで海外に輸出されてきましたが、リサイクルに不向きなプラスチックゴミの輸出入を規制する条約の改正案が採択されたことで、今後、廃プラスチックの処理が大きな問題となることが予想されます。

これを受けて、「スターバックス」が2020年までに全店でプラスチック製ストローを廃止することを発表したほか、「マクドナルド」や「すかいらーくホールディングス」など、多くの飲食店が同様の方針を固めています。

大手の飲食チェーンが軒並みプラスチックストロー廃止へと舵取りしたことで、飲食業界全体でストローなどプラスチック製品を廃止する動きが加速することは避けられません。中小の飲食店のあいだでも、やがて足並みを揃える必要が出てくるはずです。

身近でできる環境対策。食品ロス削減以外にできること

国内の食品ロスの半数以上が事業系によって占められるというデータもあることから、飲食店にとって食品ロスを削減することは急務といえますが、プラスチックストローの廃止やおしぼりのリサイクルなど、各飲食店が取り組むことができる環境対策は少なくありません。

そうなると気になるのがコスト。代替品として、ステンレス製や木製のほか、生分解性ストローなども見られるようになってきましたが、とくに木製のストローの導入には、プラスチック製ストローのおよそ10倍の費用がかかるといわれています。

しかし、飲食店のコンセプトという店舗デザインの基本に立ち返れば、環境保全という付加価値が重要な意味を持つ場合も少なくないはずです。店舗の独自性をアピールする上で、またとないチャンスとなる可能性があることも覚えておきたいところです。

付加価値の高い店舗デザインをコンセプト作りからサポート

クリアデザインでは、「人間中心設計」のコンセプトのもと、環境保全など付加価値の高い店舗デザインを、コンセプトの立ち上げからトータルでサポートしています。新店舗出店をお考えのオーナー様は、ぜひお気軽にご相談ください。