COLUMNコラム
「サードプレイス」としての飲食店。お客様の拠り所となるような空間デザインの作り方
「サードプレイス」とは?
現代人とくに都市生活者のなかには、自宅と職場を毎日往復するだけという方が少なくありません。プレミアム・フライデーの導入や働き方改革など、国も積極的に関与してライフスタイルの改善に取り組んでいますが、必ずしもその効果があらわれていないのが実情といえるでしょう。そんななか、「サードプレイス」の重要性が叫ばれるようになってきました。これは、アメリカの社会学者、レイ・オルデンバーグがその著書『ザ・グレート・グッド・プレイス』のなかで提唱した概念。自宅(ファーストプレイス)、職場(セカンドプレイス)に続く、コミュニティライフのかなめとなるような第三の場所のことをいいます。
誰かのための拠り所となるような飲食店
オルデンバーグによると、「サードプレイス」は自宅や職場では生まれないような創造的な交流が起こる場所のことをいいます。かつてはそうした「サードプレイス」がどの町にもあり、コミュニティライフを形成する拠点としてとても重要な意味をもっていました。飲食店や喫茶店はまさにそうした「サードプレイス」の代表例。地域の人々が習慣的にどこからともなく集まり、社会的地位や経済的状況とは関係なく、誰もが平等に心地よく過ごせる場所として機能していました。
ところが、現代の飲食店や喫茶店の多くはそうした意味をほとんど失い、ただ食事や飲料を提供するだけの場となりつつあります。その傾向は、とくに大都市において顕著だといえるでしょう。
「サードプレイス」には、中立的な領域である、平等主義である、アクセスがしやすい、会話がしやすい、家庭的であるなど、さまざまな特徴があります。なかでも重要なのが、その場ならではの空間づくりがなされており、常連客はじめいつも多くの訪問者で賑わい、新参者に対してもオープンであることが挙げられます。つまり、飲食店が多くの利用者にとっての「サードプレイス」となることができれば、常連客だけでなく多くの新規顧客が見込めるというわけです。
飲食店が「サードプレイス」となるためには、室内が外からも見えやすいガラス張りのファサードなど、最低限、押さえるべきデザイン上の特徴があります。ただし、オルデンバーグが指摘する「その場ならではの空間づくり」とは純粋に内装デザインを指すのではありません。それは、日々の利用客である“
人”が中心となって形成されるものであることが極めて重要なのです。ただ明るく解放的な空間づくりを取り入れたとしても、「サードプレイス」にはなりません。
「サードプレイス」を意識した空間デザイン
クリアデザインでは、「人間中心設計」のコンセプトのもと、利用者の立場に立った、オープンで訪れやすい内装設計をご提案。お客様が拠り所だと感じられるような、コミュニティライフのかなめとして最適な空間デザインをお手伝いいたします。新店舗出店をお考えのオーナー様は、ぜひお気軽にご相談ください。