COLUMNコラム

店舗デザインの基本となるコンセプトの重要性と作り方

お客様にとって居心地のよい空間を提供するためには、明確なコンセプトに沿った店舗デザインが欠かせません。忙しいことや知識がないことを理由にデザイナーや設計士に丸投げする方も少なくありませんが、後になって「イメージと違った」と感じてしまうケースが少なくありません。「こんなはずじゃなかった」とならないためには、料理をはじめとする飲食店オーナー様のこだわりや店舗の強みをコンセプトにきちんと反映させ、内装デザインに積極的に関与していただくことが不可欠です。

心地よい空間を実現するコンセプトに沿った一貫性のある店舗デザイン

居心地のよい内装デザインを実現するうえで、もっとも重要なのがコンセプトです。たとえば、大手ファミリーレストランチェーンであるDenny’sの「三世代が一緒にくつろげる空間」、アメリカのコーヒーチェーンであるスターバックスの「サードプレイス」がこれにあたり、その店舗がお客様に対して提供できる価値がわかりやすく表現されています。

コンセプトは内装デザインだけではなく、店舗運営そのものとも深く関わることになります。たとえば、提供する料理、料理を盛り付けるための器、従業員が着用する制服、店内に流すBGM、接客スタイルに至るまで、コンセプトに沿って一貫性を持たせてはじめて、お客様にとって心地よい空間作りが実現するのです。

飲食店のデザインコンセプトの作り方

コンセプトを決定するプロセスはさまざまですが、たとえば、5W3Hのマトリックスが有用でしょう。これは、「When:いつ」「Where:どこで」「Who:だれが」「What:なにを」「Why:なぜ」の5つを横(行)、「How:どのように」「How much:いくらで」「How many:どのくらい」の3つを縦(列)とするマトリックスに要素を丁寧に落とし込んでいきます。

すると、たとえば20代のOLをメインターゲットとした、友人やパートナーと特別なイベント時にゆったりと過ごすための店舗という具合に、お客様にどんな価値を提供することができるかが徐々に明確化されていくというわけです。

そこから内装デザインの基本コンセプトが導き出されていきます。デザインテーマを「落ち着いたヴィンテージ感のあるウエアハウスのような雰囲気」、メインカラーを「レンガ風のテラコッタ」とし、奥まで見渡せるように可視性を高め、間接照明を使って室内を暗めにしながら、暖色系のライトを使って料理をきわだたせるライトコントロールを採用するという具合です。

ディテールのデザインに関しては飲食店オーナー様ごとにさまざまなこだわりがおありだと思いますが、内装デザインを決定する重要な要素として覚えておいていただきたいのが、動線です。動線の設計によって店内の人の流れをデザインしたり、お客様の店内の滞在時間をコントロールしたりすることが、店舗の成功を大きく左右することが少なくありません。

飲食店のコンセプト作りに定評。初期段階から徹底サポート

クリアデザインでは、お客様やスタッフに配慮した「人間中心設計」の空間デザインを実現するために、コンセプトの立ち上げから徹底してサポートさせていただいております。新店舗出店をお考えのオーナー様は、ぜひお気軽にご相談ください。