COLUMNコラム
食品廃棄の削減を!飲食店が取り組むべき環境問題を考える
高い日本の食料廃棄率
消費者庁が発表した「食品ロス削減関係参考資料」(平成30年)によれば、国内の食品廃棄物は年間2,842万トン。そのうち、食べられるにもかかわらず捨てられた「食品ロス」量は年間646万トンにも上ります。国連の世界食糧計画の食糧援助量の2倍以上に相当するものを廃棄していることになります。
日本の食料自給率は37%(平成30年度)と、食料の多くを輸入に頼っていますから、わざわざ捨てるために輸入しているとさえいえるような状況が続いています。これらの「食品ロス」のうち、一般家庭から出されるものがおよそ289万トン。つまり、飲食店など事業系の「食品ロス」が357万トンと半分以上を占めているといわれています。
飲食店など廃棄率を削減するための事業者による取り組み
「食品ロス」を削減するために、事業者側でもさまざまな試みが行われています。たとえば、鮮度を保持する期間を延長するために、容器包装を一人前ずつとするなどの工夫をする食品メーカーも増えてきました。
また、事業者の取り組みとして目立っているのが、ITを活用したフードシェアリングサービスです。これは、「食品ロス」を減らしたい飲食店や小売店と安く美味しい食品を購入したいと考える利用者とをマッチングさせるサービスのこと。たとえば「FOOD PASSPORT」の利用者は、月額料金を支払うことで、余った食材を使ったメニューを飲食店で格安で食べることができます。
飲食店にとっては、決して大きな収益にはつながらないものの、余剰食品を廃棄せずにすむだけでなく、店舗の認知度をアップすることにもつながります。こうした環境を意識した取り組みに参加していることをアピールすることは、ブランディングの観点でも有用な施策といえるでしょう。
上記のような新しい取り組み以外では、残ってしまった料理をお客様に持って帰っていただくシステムを積極的に取り入れるだけでも、「食品ロス」の削減に貢献することができます。ただし、その場合、消費期限を明確に伝えることをお忘れなく。説明不足が原因でお客様の体調が悪くなり、飲食店側に過失が認められた場合、損害賠償責任が発生するおそれがあります。また、医師の届出などにより事案が探知された場合は、疫学的な調査が実施されることもあります。
なお、テイクアウト販売を行う場合は、すでに取得しているのとは別の営業許可が必要になるケースがあります。実施前に所管する保健所に問い合わせてみるとよいでしょう。
食料廃棄など飲食店の強みとなるコンセプトをサポート
「食品ロス」など環境問題が深刻化するにしたがい、飲食店もそうした世間の関心事に無頓着ではいられなくなってきました。クリアデザインでは、環境保全や「食品ロス」の削減など、付加価値の高いブランディングをふまえた店舗デザインを、コンセプトの段階からお手伝いしています。新店舗出店をお考えのオーナー様は、ぜひお気軽にご相談ください。