COLUMNコラム

店舗のインテリアデザインを考える。 コンセプト通りの店舗を作り上げるためには?

コンセプト通りの店舗を実現する基本的な要素

インテリアデザインにおいて、コンセプト通りに店舗を作り上げるためには、さまざまなことを考え合わせる必要があります。今回はなかでも基本的な要素として位置付けられる動線・家具・照明・音響の4つを取り上げ、ポイントについて解説します。

動線

店舗のインテリアデザインでもっとも重要なことの一つといわれるのが動線です。飲食店の業種や業態コンセプトに応じてゾーニング計画を行い、スムーズな動線作りをする必要があります。

たとえば、比較的低価格のメニューを提案する、カジュアルな感覚で利用できる店舗の場合、中央に客席を配置し、トイレなどの付帯施設とキッチンをそれぞれ客席の左右に置くという具合に、お客様とスタッフが干渉しにくいレイアウトが望ましいといえます。

コンセプトに基づくゾーニング計画を成功させるために、テーブル、椅子などの家具は、動線に影響しない大きさのものを選ぶことも重要です。レイアウトの変更しやすさを考慮するなら、可動式のものを選ぶことも欠かせません。

家具

家具はデザインに目を奪われがちですが、店舗のコンセプトに応じた心地よさが求められます。たとえば、一般的なカジュアルなレストランの場合、多くの人が快適と感じるといわれる高さ(机ならおよそ70cm、椅子はおよそ40cm)とするのが一般的です。

他方、お客様にゆっくりとくつろいでいただくようなコンセプトの店舗の場合、上記の寸法よりも低いテーブル、座面が低い椅子などを設置するのが理想的です。たくさんの食器を置くための広さを確保できるテーブルを用意することもストレスなく食事するうえでの重要な条件となります。

照明

店舗のコンセプトによって照明選びのポイントは変わってきます。たとえば、回転率が高い客単価の低い店舗の場合、蛍光灯やLEDを使って空間を明るくするのが一般的です。

逆に、お客様がくつろいで長い時間をすごす客単価の高い店舗の場合、白熱電球や間接照明を使った温かみのある光による暗めの空間演出が適しています。

コストも気になるところです。白熱電球やハロゲン球は価格は安く落ち着いた色味を作り出すことができますが、消費電力が高いためランニングコストがかかる傾向があります。

蛍光灯は安価で消費電力が少ないのが魅力です。その反面、事務的な印象になりがちというデメリットがあります。

LEDは、長寿命で消費電力が少ないのがメリットです。発熱量が少なく、鉛や水銀、カドミウムなどの有害物質も含まないため、廃棄しやすく、環境にもやさしいという利点があります。紫外線の放出が少ないため虫が寄ってきにくいことや、生鮮食料品を劣化させにくい性質もあるため、飲食店にふさわしい照明といえます。かつては光束が狭い、重いなどのデメリットがありましたが、現在ではメーカーの努力によって改善されています。

音響

コンセプトに合った音響作りも不可欠です。大衆的なレストランの場合、明るいBGMがあるほうが会話が弾んで居心地もよく、食事が進む傾向があるといわれています。スピーカーの設置位置や数など、床面積や天井の高さに応じて最適な音響空間を作る必要があるでしょう。

他方、床面積が小さい隠れ家的なレストランをコンセプトとする場合、あえて無音とするのが効果的な場合もあります。調理する際に発生する音、コーヒーマシンの音などが環境音楽のように機能し、心地よい雰囲気を演出することがあるというわけです。

コンセプトに合致した理想的な店舗を作り上げるために

店舗のインテリアデザインとは、イメージを三次元へと落とし込んでいく作業です。ビジュアル面だけでなく、使い心地という意味でも、実際の仕上がりが想像とかけはなれいることはよくあること。コンセプトに合致したこだわりの店舗作りを実現するためには、シミュレーションを繰り返し、柔軟にレイアウトを変更していくことが欠かせません。

クリアデザインでは、オーナーの方の想いを具現化することにこだわりつつ、人間中心設計をベースに誰もが過ごしやすく、集客にも成功できるような店舗作りをお手伝いしています。新店舗出店をお考えのオーナー様はぜひご相談ください。