COLUMNコラム

飲食店オーナーが押さえておくべき飲食店に多い接客トラブルと対処法

飲食店の7割近くがお客様とのトラブルを経験

飲食店の出店を支援するサイトを運営しているある企業が実施したアンケート調査によると、7割近くの飲食店がお客様とのあいだに何らかのトラブルを経験していることがわかりました。「数年に1回」のペースでトラブルがあると回答している飲食店が3割以上を占め、「年に1回」という飲食店が2割以上、「数か月に1回」という飲食店が1割以上という結果に。なかには熱いお茶をお客様にかけてしまったことで、治療費や慰謝料だけでなく、タクシー代やスポーツジムの利用料金まで請求されたケースもあり、大きな問題となっています。

クレーム発生時、事態の悪化を防ぐための基本の流れ

こうしたトラブルが発生し、クレームを受けてしまった際、事態を悪化させないためには、どのような対策をするべきなのでしょうか。まず押さえておくべき基本的な流れは以下の通りです。

・きちんと謝罪する
・お客様の話をよく聞く
・なんらかの提案をする
・感謝の意を伝える

なにはともあれ、きちんと謝罪することが大切です。原因に関係なく、お客様が不快な思いをされたのは事実。まずはそのことに対してお詫びするのが筋といえます。起きた事象そのものについてではなく、お客様を不快にさせてしまったことを謝罪してください。

そのうえで、クレームが発生するに至った経緯をヒアリングします。状況を正しく理解するために、メモをとりながらお客様の話をよく聞いてください。状況が把握できるだけでなく、話をきちんと聞く姿勢をアピールすることで、お客様に落ち着いていただく意味もあります。誠意のある態度が求められるといえるでしょう。

状況が把握できたら、どのように対応するかを決めます。お客様のご要望を聞いたうえで、双方が納得できるような落とし所を探ります。臨機応変な態度が求められますが、アルバイトスタッフなどが対応せざるを得ない場合は、責任者に引き継ぐような仕組みづくりをしておくことが大切です。

最後に、クレームをいただいたことに感謝の意を伝えます。ただし、明らかに店舗側に非があるような場合は、かえってお客様のお気持ちを逆撫でしてしまうことも。状況に応じた対応が求められます。

飲食店にありがちなトラブルと対処法

飲食店にありがちなトラブルを取り上げ、具体的な対処法について見ていきましょう。

たとえば、ドリンクや料理に異物が混入してしまったケース。まずはきちんと謝罪したうえで、混入したもの、混入した原因、お客様のクレームのポイントに応じて適切に処理する必要があります。さまざまなケースが想定されるため、ケースごとのマニュアルを準備するのではなく、「事実関係の確認」→「責任者への報告」→「責任者による対応案の提案」→「代案の提案」という具合に、流れを決めておくのがよいでしょう。

待ち時間に関してクレームを受けるケースも多いはずです。人によって時間の感覚は異なるため、やはり対応をマニュアル化するのは賢明とはいえません。待ち時間が具体的にどれくらいになるのか、できるだけ正しく答えられるような仕組みづくりが重要です。

会計をミスしてしまった場合、すぐに気がつけば、謝罪し訂正することで解決できるのがほとんどですが、お客様がお店を出てから気づかれるようなケースでは、事態が悪化することが少なくありません。水掛け論に発展することも多く、お客様の主張を否定しきれない以上、弁済するのがスマート。お客様の住まいが遠方でない限り、責任者が差額分を持参し、お詫びするのがよいでしょう。

トラブルが起きにくい内装デザインで健全な店舗運営をサポート

飲食店ではお客様とのトラブルはつきものですが、動線の設定やキッチンとホールのレイアウトなど、内装デザインによって防げるトラブルも少なくありません。クリアデザインでは、豊富な実務経験から、個々の店舗に最適なプランをご提案しています。新店舗出店・改装をご検討の際は、ぜひお気軽にご相談ください。