COLUMNコラム
飲食店だからこそ求められる「サードプレイス」の在り方は?
飲食店で「まちづくり」という発想を
飲食店で重要なのはお店の雰囲気、料理の味はもちろんですが、飲食店を通じた「コミュニティづくり」、「まちづくり」などの発想も取り入れる必要があるかもしれません。
そんな飲食店を通じたまちづくりの発想として有効なのが、「サードプレイス」という考え方です。一時期、「サードプレイス」という言葉の具体例として馴染みのある「スターバックス」さんが取り上げられていたこともあり、一度は耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。
「サードプレイス」という思想
改めておさらいしておくと「サードプレイス」とは、「ファーストプレイス(家庭)」「セカンドプレイス(職場・学校)」でもない、「3番目に」居心地の良い場所、という意味です。
「サードプレイス」の思想の源流はヨーロッパのカフェやパブで「ゆとり」や「コミュニティ」が存在することを、アメリカの社会学者オルデンバーグが文献で発表したことから広まりました。家と職場を往復するだけではなく、時間にゆとりのできた成熟社会でこうした「ゆとり」が必要とされ、その機能が自然に飲食店に求められたのでした。
サードプレイスの特徴
サードプレイスにはいくつかの特徴があります。それは「中立性」「社会的平等性」「会話が中心にある」「常連の存在」「遊び心」などです。
また、サードプレイスも2つのタイプに分類ができ、一つは他人の目を気にせずに過ごせる場所、もう一つは開放的で他のお客さんや店主などとのコミュニケーションが楽しめる交流場所、の2つのタイプに分けることができます。
「日本人」が居心地の良さを感じる空間とは
日本人は、ヨーロッパなどと比べて「サードプレイス」があると感じている人が極端に少ないというデータもあります。その理由としては、飲食店の単価が高いことや、それに伴って毎日いくことへのハードルが高いことなどが挙げられます。
カフェなどでも、他人の目を気にせずに作業ができるような環境づくりは様々なところで取り組まれています。
そして、お酒を出す「飲食店」であれば考えて欲しいのが前章で述べた「交流型」のサードプレイスの役割です。
お酒が入ることは、お客さん同士の交流を促したり、新たな関係性を生んでくれることが期待でき、地域に根ざした老若男女が集う飲食店を目指すのであれば、こうしたお客さん同士の繋がりを良しとする「サードプレイス的」な空間づくりの設計を考えるのも有効です。
しかし、日本人はやはり「シャイ」で、隣の人になかなか声もかけづらい、という性質もあります。そこで、店主が「ファシリテーター」的な役割を担い、共通としてありそうな話題をふることで店主が間に入らずとも会話が円滑に進むようにコーディネートしてあげることも必要です。
人々の拠り所になるお店づくり
「個」で生きる時代だからこそ、仕事面でも精神的な拠り所としても、人々はあえて「コミュニティ」を求める時代になっています。
心地よいお店づくりは、お客さんが拠り所として価値を見出してくれることに加え、お店側としてもお店のファンになってもらえることや、常にお店に人がいるような状況を作り出すことができるので、win-winの効果を期待することができます。
そして、心地良い環境づくりはまずはお店の内装の設計段階からです。客席同士の距離感や、カウンター席の数、お客さんとコミュニケーションが取りやすい動線など、設計の段階から営業時間をイメージして空間づくりを行うことが需要です。
クリアデザインでは、「人を豊かにする空間づくり」をコンセプトに、オーナー様のこだわりのデザインを反映させつつも、機能性や社会性を十分に兼ね備えたお店づくりをお約束いたします。
無料の相談も承っておりますので、ご興味のある方は是非一度お気軽にご相談ください。