COLUMNコラム

古民家を飲食店にリノベーションする上で知っておくべきこと

飲食業界で増えつつある古民家リノベーション

このところ、古民家をリノベーションした店舗が増えています。古民家というと、機能的な問題が連想されがちですが、リノベーションによって新築物件同様の機能や設備を持たせられるだけでなく、古民家ならではの独特の空気感、ノスタルジックな雰囲気のある無二の空間づくりが可能です。

古民家をリノベーションするメリットと注意点

古民家をリノベーションするメリットについて、注意点とあわせて具体的に見ていきましょう。

古民家のメリット

古材の風合い

古民家のメリットは、なんといっても、風合のいい古材を使っているからこその趣のある雰囲気です。むき出しの梁、高い天井、土間など、古民家ならではのユニークなデザインが多く、独特のディテールを活かした、個性的な空間づくりが叶います。

また、古民家は、和様式の建築をもとにしていますが、リノベーションのアイディアによっては、様式の雰囲気を演出したり、ナチュラルでモダンな印象のインテリアに仕上げることもできます。コンセプトとデザイン次第で、可能性が無限にある伸び代こそが、古民家をリノベーションする最大の魅力と言えるでしょう。

体に優しい

人体に優しいのも古民家の大きな魅力の一つ。古民家には、化学物質を含まない天然素材が使われています。また、風向きを考慮して設計されている場合が多く、通気性に優れるため、シックハウス症候群を引き起こす可能性がとても低いと言われています。

飲食店にとって、体に優しい仕様の古民家はうってつけ。食材へのこだわりなど、空間そのものがコンセプトを体現するものになり得るのも古民家のメリットです。

古民家のデメリット

耐震性の問題

ただし、古民家には注意点もあります。最も気になるのが、耐震性です。法律が定める耐震性を満たしていないものも多くあり、外見上わかりにくいところが腐食している場合もあります。場合によっては大掛かりな補強が必要となることもあるので注意が必要です。

断熱性が低い

古民家は通気性がよく、夏でも涼しい設計になっていますが、断熱性に弱みがあります。一般的な住居と比べて機密性が低いため、寒い時期に室内を暖かく保つのが困難である場合がほとんど。断熱や暖房の工夫が必要です。

耐震性や断熱性は、すべて費用に反映されます。ランニングコストの問題とも関わってくるため、古民家をリノベーションする場合は綿密な計画が必要と言えます。

古民家の魅力を際立たせるリフォームのポイント

古民家ならではの魅力を生かすには、新しい木材にはない、何十年と月日を重ねたからこその味わいを備える柱や梁をあえて残し、インテリアに取り込むのが一般的です。新建材にはない、ぬくもりある雰囲気を演出することができます。

ふすま、葦戸(すど)、擦りガラス、、蔵戸など古い建具を残すというやり方もあります。これらの建具はそのまま使うだけでなく、障子に鮮やかな色や柄の紙を貼るなど、現代風にアレンジすることも可能です。

リノベーションで生じた廃材や、本来であれば捨ててしまうような古道具などを活用するという手もあります。錆ついた鉄パーツ、古びた机&椅子をあえて使うのもよいですし、海外のアンティークをインテリアに取り入れることで、和洋折衷のモダンな雰囲気を作ることも可能です。

業種や業態に合ったリノベーションで機能的で快適な店舗づくりを

古民家をリノベーションする場合、業種や業態によって解決すべき問題はさまざまです。クリアデザインでは、ブランディングを含めた店舗デザインをコンセプトからご提案。「人間中心設計」のもと、古民家ならではの雰囲気を引き出し、機能的で快適な店舗づくりをお手伝いしています。新店舗出店・改装をお考えのオーナー様は、ぜひお気軽にご相談ください。