COLUMNコラム

快適な空間づくりに欠かせない音楽。飲食店におけるBGMの効能とは

BGMは飲食店のコンセプトを伝える道具

飲食店で提供するのは料理だけではありません。空間デザインは、あらゆるディテールがお客さまの満足度を高めるように配慮されている必要があります。お客さまの五感に訴えかけ、快適さを感じる上で重要なものの一つが、音楽、BGMの存在です。

お客さまの注意を喚起し、ポジティブな感情を引き出すためには、音楽を使って魅力的な雰囲気を演出する必要があります。料理や接客サービスと同様、音楽やBGMもまた、店舗のコンセプトを伝えるものでなくてはなりません。

音楽には人をリラックスさせたり、前向きな気持ちにさせたりする効果があると言われています。飲食店において、BGMにはどんな作用が期待できるのでしょうか。

売上効果アップが狙えるのはクラシックとジャズ、ポップス

特定の音楽ジャンルが食事への意欲に影響することが知られています。ある実験では、大学のカフェテリアで特定のジャンルの音楽を流し、雰囲気をどう評価するかについてアンケートを実施。その結果、以下のような回答が得られています。

音楽ジャンル 雰囲気への評価
ポップス 快活で積極的
クラッシック 高級感があり高貴・エレガント
イージーリスニング やや高貴・エレガント
音楽なし 平穏

このうち、ポップスとクラッシックを流した場合、お金を支払う意欲が最も高まり、売り上げが上がったと報告されています。

ある人気レストランでも同様の実験が行われています。その結果は以下の通りでした。

音楽ジャンル 雰囲気への評価
ポップス 快活で積極的
ジャズ 活気があり刺激的
クラッシック 高級感があり洗練されている
イージーリスニング 安っぽい
音楽なし 安っぽい

お金を支払う意欲は、クラッシック、ジャズ、ポップスを流した際に高くなったと報告されています。

飲食店においてBGMに期待できる効果

BGMに期待できるのは、お客さまの支払いへの意欲の高まりだけではありません。たとえば、混雑しているランチの時間帯では、テンポの速い音楽を流すことで回転率がアップすると言われています。

また、店内が混雑し、お客さまが料理や席に着くのを待っていただいている場合は、テンポの遅い音楽を流すのが理想的。待ち時間のストレスを緩和するのに有効だと言われています。

「音楽はよくわからない。適当にジャズでも流しておけばいい」と考えがちですが、店舗の状況によって流す音楽を変えることで、売上やお客様の満足度に大きく影響するというわけです。

ある大手コーヒーチェーンでは、商品の特徴に合うよう季節によって起用するBGMを使い分け、季節感のある空間作りに取り組んでいます。また、女性が一人でも気軽に入店できるよう、カフェを参考にしたBGMを導入している日本料理店もあります。

コンセプトに合ったBGMで快適なお店づくりを

店舗の雰囲気やお客さまの年齢層・ライフスタイルに客合ったBGMを流すことができれば、より快適な空間を演出することができます。大切なのは、どのようなコンセプトのもとで店舗づくりをするかということ。店舗の方向性が定まれば、おのずと最適なBGMがわかってくるはずです。クリアデザインでは、コンセプトの立案から内装設計まで、音環境を含めた特別感のある空間づくりの実現をサポート。新店舗出店される際は、ぜひご相談ください。