COLUMNコラム
五感に訴える飲食店の空間デザインのポイント
飲食店の空間を魅力的なものにするには、視覚だけではなく五感に訴えることが大切です。お客様は、聴こえてくる音や室温などさまざまな要因から空間の居心地の良さを判断します。そこで今回は、五感に訴える飲食店の空間デザインのポイントについてご紹介します。
視覚に訴える
飲食店の空間デザインに置いて五感の中でも最も分かりやすいのは、やはり「視覚」です。内装、ディスプレイ、商品、メニュー、看板、POPなど、目に入るものすべてが含まれます。
重要なのは「コンセプトとの統一感」です。コンセプトがないまま店舗デザインをしても、まとまりのない印象になってしまいます。まずはどんなお店にしたいのか、コンセプトを明確にしましょう。コンセプトがあると、お店のイメージカラーや文字のフォント、ロゴのデザインなども決めやすくなります。コンセプトを崩さないように内装のデザインや家具を選ぶことで、統一感のある空間になります。
また、飲食店では清潔感も大切です。安心して食事を楽しめるよう、掃除や整理整頓を徹底し、お客様の視界に余計なものが入らないようにしましょう。
聴覚に訴える
飲食店において聴覚に訴えられるものと言えば、BGMがあります。BGMには、以下の3つの効果があると言われています。
- 邪魔な音を覆い隠す「マスキング効果」
- 音楽によって連動する行動が起きる「感情誘導効果」
- 店舗の雰囲気やイメージを演出する「イメージ誘導効果」
静かすぎる空間だと、近くのお客様同士の会話や、店舗の外を走る車の音、厨房の作業音など、さまざまな音が気になってしまいます。BGMを流すことで、周りの音を気にせず落ち着いて食事を楽しんでいただけます。
感情連動効果では、アップテンポな曲だと食べるペースがあがり、スローテンポな曲だとゆったりと食べられます。回転率を上げたいランチタイムはアップテンポ、リラックスして食事を楽しんでいただきたいディナータイムはスローテンポな曲と、使い分けるのも効果的です。
またBGMは、店舗の雰囲気やイメージを演出します。お店の雰囲気を明るくしたり、高級感を醸し出したり、やすらぎ感を演出したりと、BGMによってお店の印象は大きく左右されます。お店のコンセプトを崩さないよう、演出したいイメージに合わせて選曲しましょう。
触覚に訴える
「触覚」と聞くとあまりピンと来ないかもしれませんが、要は「肌から感じられる刺激」すべてを指します。飲食店においては、室温や肌に触れる椅子、ソファなどです。店内は、夏は涼しく、冬は暖かく快適な室温を保つようにしましょう。また直接肌に触れる椅子やソファは、肌触りの良い心地良いものを選ぶことも大切です。
嗅覚に訴える
飲食店では料理をおいしく楽しんでもらうことが重要なので、料理の邪魔になる臭いは徹底的に防ぎましょう。トイレの臭いや食材の臭い、ダクトの臭いなど、不快な臭いは漏れないようにしっかりと対策します。
また良い香りであっても、強い香りは料理を楽しむ上で妨げとなります。店内でアロマや香水は使わないようにして、スタッフの制服や店内のファブリック家具に染みついた香りにも注意が必要です。
五感を刺激して魅力的な飲食店に
今回は、五感に訴える飲食店の空間デザインのポイントについてご紹介しました。飲食店といえば味覚が最も重要だと思う方も多いでしょう。しかし空間デザインにこだわることで、五感を刺激してより魅力的なお店になります。
クリアデザインは、設計から施工までを一貫して請け負う店舗設計事務所です。「人間中心設計」をコンセプトに、オーナー様の夢やこだわりを叶えつつも、飲食店としても機能性や社会性なども兼ね備えた設計プランをご提案しています。無料でご相談も承っておりますので、ぜひお気軽にご相談ください。