COLUMNコラム
多店舗展開を目指すなら知っておきたい!飲食店のマスタープランとは?

2店舗目以降の設計をスムーズにする「マスタープラン」の考え方
1店舗目の開業が軌道に乗り、「次は2店舗目を出そう」と考え始めたとき、再びゼロから店舗設計を始めるのは効率的とは言えません。
店舗数が増えるたびに内装や設備を一から検討するのは、時間もコストもかかってしまうからです。
そこで活用したいのが「マスタープラン」という考え方。
店舗の設計方針をまとめた“設計の土台”をつくることで、多店舗展開をスムーズに進めることができます。
今回は、飲食店の多店舗展開を見据えた「マスタープラン」とは何か、そのメリットや活用方法について解説します。
これから複数店舗を展開していきたいとお考えのオーナー様は、ぜひ参考にしてみてください。
「マスタープラン」とは?店舗設計のベースとなる指針
マスタープランとは、飲食店のデザイン方針をまとめた「店舗設計指示書」のようなものです。
たとえば、1号店で使用した内装のカラー、家具、厨房機器、照明やサイン計画、ロゴの配置など、ブランドを構成する要素を体系的に整理しておきます。
これがあることで、2店舗目以降の設計スピードが格段にアップ。設計費用の削減にもつながります。
また、内装デザインに統一感が出ることで、ブランドとしての印象をお客様に強く印象づけることができます。
たとえば、大手チェーン店のように、どの店舗に行っても同じ空気感・安心感を感じるのは、このマスタープランがきちんと機能しているからなのです。
マスタープランがあると得られる主なメリット
マスタープランを導入することで、以下のような効果が得られます。
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設計・施工の効率化
一から検討する必要がなくなるため、短期間で設計〜工事に移れる -
コストの削減
設計・素材・什器の選定があらかじめ決まっているため、余分なコストがかかりにくい -
ブランドの統一感を保てる
どの店舗でもブレのない世界観を演出できる -
スタッフの教育・導線設計がスムーズ
同じレイアウトであれば、オペレーションも統一しやすい
このように、見た目の統一感だけでなく、業務面でもメリットが多いのがマスタープランの魅力です。
「柔軟性」も忘れてはいけないポイント
とはいえ、1号店の設計をそのまま全ての店舗に当てはめられるとは限りません。
立地や間取りが異なれば、同じ設計でも使いにくさが出てくる可能性があります。
また、2号店では別のターゲット層を想定するケースもあるでしょう。
そのため、マスタープランは“絶対に守る設計”というより、“方向性や雰囲気を統一するためのガイドライン”として活用するのが理想です。
各店舗ごとの立地や客層に合わせて、必要な部分だけ柔軟にカスタマイズしていくことで、ブレないブランドづくりと現場での最適化の両立が可能になります。
これから多店舗展開を見据えるなら、早めの準備を
マスタープランは、店舗数が増えるほどその効果を発揮します。
「まだ1店舗だけだけど、今後拡大していきたい」と考えているオーナー様にとっても、最初の段階からプランを意識しておくことはとても大切です。
また、マスタープランをつくる際は、単なるデザインの統一だけでなく、
・ブランドコンセプトの整理
・厨房・ホールの導線設計
・将来的な設備の汎用性 など、戦略的な視点が求められます。
自己流で作成するのではなく、経験豊富な設計事務所とともに進めることで、より実用性の高いマスタープランが完成します。
設計・ブランディングの相談はプロにお任せを
店舗設計のマスタープランは、ただデザインを整えるだけでなく、事業展開の軸となる重要な設計資料です。
多店舗展開を見据えるなら、なるべく早い段階で作成に取り掛かるのがおすすめです。
東京渋谷区を拠点に活動する店舗設計のクリアデザインでは、飲食店をはじめとする店舗のブランド構築を意識したマスタープランの作成から、内装設計、施工までトータルでサポートいたします。
複数店舗展開を視野に入れているオーナー様は、どうぞお気軽にご相談ください。