COLUMNコラム

壁を活かして印象的な空間に。飲食店で使えるニッチの設計アイデア

飲食店の魅力は料理や接客だけでなく、店内の雰囲気づくりも大きな要素です。とくに最近では「非日常感のあるおしゃれな空間」を求めるお客様が増えており、店内デザインの工夫が集客にも直結します。

そんな中で注目したいのが、「ニッチ」という設計要素。ニッチとは、壁の一部をくぼませて作る小さなスペースのことで、使い方次第で店舗にぐっと洗練された印象を加えることができます。

今回は、飲食店にニッチを取り入れる魅力や、実際の活用方法についてご紹介します。これからお店づくりを始めるオーナー様は、ぜひ参考にしてください。

ニッチの特徴と飲食店に向いている理由

ニッチの大きな特徴は、空間を圧迫せずに壁面を有効活用できる点です。ウォールシェルフや家具を置くと通路が狭くなったり、動線を妨げることもありますが、ニッチなら壁をくり抜くだけなのでスペースを損なわず、すっきりとした印象を与えられます。

また、構造上の制限(柱や配管など)にさえ注意すれば、設計段階で自由な位置に設けることができるため、客席・エントランス・レジ周り・トイレ前など、さまざまなシーンで活用しやすいのも魅力です。

ディスプレイとして活用するアイデア

もっとも一般的な使い方は、装飾用のディスプレイスペースとしての活用です。小物雑貨やアート、ドライフラワーや観葉植物などを飾ることで、シンプルな壁に奥行きと表情を与えることができます。

また、間接照明を組み合わせることで、飾ったアイテムが浮かび上がるように見え、より洗練された空間演出が可能になります。季節ごとにアイテムを入れ替えれば、コストを抑えながら店内の印象を変化させられるというメリットも。

内装デザインにこだわる飲食店において、ニッチは“静かな主役”として空間を引き立ててくれます。

ニッチを機能的に使う設計テクニック

ニッチは見た目のアクセントだけでなく、機能的な用途にも活用できます。

たとえば、次のような使い方がおすすめです:

  • 空調・照明スイッチ類の収納
     店内の美観を損ないがちなスイッチ類や操作パネルをニッチ内にまとめることで、生活感を抑えながらスッキリと見せることができます。

  • メニュー表やチラシの掲示スペース
     壁に貼るのではなく、ニッチの中に設置すればスマートな印象に。額縁のように使うと高級感も出ます。

  • アルコール消毒やアメニティの設置場所
     入り口付近などに設けると、動線の邪魔にならず、店舗全体の印象もスマートに保てます。

設計段階でこうした用途を想定しておけば、あとから「ここに置き場が欲しかった…」という後悔も防げます。

小さなスペースに個性を詰め込む設計のコツ

ニッチの中は、周囲の壁と素材を変えることで空間のアクセントにすることができます。次のような工夫を加えると、デザイン性がより高まります。

  • ニッチ内だけ壁紙を変えて印象的に

  • タイル貼りで素材感を強調

  • 真鍮や黒アイアンの棚を組み合わせてレトロ感を演出

ニッチは“面積が小さいからこそ”大胆なデザインを試せる場所でもあります。普段は使わないような柄や色も、ニッチ内なら遊び心として取り入れやすく、空間全体のアクセントにもなります。

ニッチを取り入れて、印象に残る飲食店を

今回は、飲食店設計における「ニッチ」の魅力と活用アイデアについてご紹介しました。おしゃれな空間づくりや、機能的なスペース確保にも役立つニッチは、これから店舗を開業するオーナー様にとって心強い設計パーツです。

店舗設計のクリアデザインでは、東京渋谷区を拠点に、飲食店に特化した内装設計・施工をトータルでご提案しています。機能性だけでなく、来店したお客様の記憶に残る空間づくりをサポートしております。

どこかおしゃれで魅力的な店舗デザインをお考えの方は、ぜひ当社までご相談ください。