COLUMNコラム
飲食店の印象は屋根でも大きく変わる?!知っておきたい屋根の種類と選び方
飲食店の設計で内装や導線ばかりに目が行きがちですが、実は店舗の印象を大きく左右するのが「屋根の形状」です。屋根のデザインひとつで、お店の雰囲気やコンセプトが大きく変わります。
また、屋根の形によって建築コストやメンテナンスのしやすさ、断熱性、雨漏りのリスクも異なり、店舗の“使いやすさ”にも影響を与えます。とくに新築で飲食店を立ち上げる場合は、屋根の形状も含めた設計プランを考えることが大切です。
今回は、代表的な屋根の形とその特徴、飲食店としての相性についてわかりやすく解説します。これから店舗づくりを始めるオーナー様は、ぜひ参考にしてみてください。
主な屋根の形とそれぞれの特徴
ここでは、飲食店でよく採用される代表的な5種類の屋根について、それぞれのメリット・デメリットを紹介します。
切妻屋根(きりづまやね)
三角形のシンプルな屋根。施工コストを抑えやすく、雨や雪をスムーズに流す構造でメンテナンスもしやすいのが特徴です。ナチュラル系や郊外型カフェなど、親しみやすい印象の店舗と好相性。
デメリット:妻側の壁が風雨を直接受けるため、外壁の劣化が進みやすい傾向があります。
寄棟屋根(よせむねやね)
4方向に屋根面がある安定感のある形状。風雨や紫外線の影響を分散しやすく、建物全体の耐久性を高められます。老舗感のあるレストランや和風の飲食店にもおすすめです。
デメリット:構造が複雑になるため、建築費・メンテナンス費用はやや高くなります。
方形屋根(ほうぎょうやね)
ピラミッドのような整った形で、視覚的にも落ち着いた印象に。寄棟屋根と似ていますが、棟が少ない分、雨漏りリスクが抑えられます。
デメリット:設置する建物が正方形に近い形でないと対応が難しく、設計の自由度はやや制限されます。
片流れ屋根(かたながれやね)
片側だけに傾斜があるスタイリッシュな形状で、近年人気が高まっている屋根。モダン系・デザイン重視のカフェやベーカリーなどに最適です。屋根裏も広くとれるため、空調機器やストレージの設置にも便利。
デメリット:片側に雨水が集中するため、排水計画が甘いと雨漏りのリスクが高くなります。
陸屋根(りくやね)
平らな屋根で、屋上テラスやグリーンエリアとして活用できるのが最大の特徴。都会型の飲食店や、屋上席を活かした展開を考えている店舗には非常に相性が良い形状です。
デメリット:水はけが悪いため防水工事が重要。また、断熱性は他の屋根に比べてやや劣ります。
屋根の形は店舗イメージと連動して考える
屋根の形は、店舗の世界観やコンセプトと直結するデザイン要素です。
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片流れ屋根や陸屋根は「スタイリッシュ・都会的」な印象に
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切妻屋根は「素朴・親しみやすさ」や「郊外のカフェ」などのイメージ
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寄棟屋根や方形屋根は「落ち着き・重厚感」があり、和食店や老舗系にも向いています
屋根のデザインは、遠くから見たときの印象や、お客様が最初に受けるイメージにも大きく関わります。コンセプトに合った屋根を選ぶことで、統一感のある“記憶に残る店づくり”が可能になります。
建築コスト・メンテナンス性も考慮して選ぶ
飲食店経営では、見た目だけでなく建築コストやメンテナンス性も無視できないポイントです。
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初期費用を抑えたいなら切妻屋根や片流れ屋根
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耐久性や防水性を重視したいなら寄棟屋根や方形屋根
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屋上活用をしたいなら陸屋根
など、立地条件や運営方針、建物の間取りとのバランスを見ながら、総合的に判断することが大切です。
屋根選びも含めた店舗設計はプロに相談を
今回は、飲食店の印象を左右する「屋根の形状と選び方」について解説しました。屋根は店舗のデザイン性だけでなく、運営の効率やコストにも影響する重要な要素です。
店舗設計のクリアデザインでは、東京渋谷区を拠点に、飲食店に特化した設計・施工を一貫して承っております。新築工事の実績も豊富で、屋根形状や外観イメージまで一体となった設計プランのご提案が可能です。
理想の店舗づくりを実現したいオーナー様は、ぜひお気軽にご相談ください。