COLUMNコラム
空間デザインをより意味あるものとするには?テーマパークを例に
視覚的な情報の重要性と空間デザイン
「人は見た目が9割」などといわれます。誇張された表現だとしても、まんざら間違いともいえないようです。カリフォルニア大学(UCLA)の名誉教授で、心理学の権威として名高いアルバート・メラビアンは、1971年の著書『非言語コミュニケーション』のなかで、視覚的な情報の重要性を指摘しています。
彼によれば、人がコミュニケーションする際、話の内容など言語的な情報に比べて、見た目や表情といった視覚的な情報のほうがより相手に伝わることを明らかにしました。
具体的には、実験の結果、言語的な情報が7%しか伝わらない反面、聴覚的な情報が38%、視覚的な情報にいたっては55%が相手に伝わることがわかったのだそう。
SNSを例にあげても、写真をベースにしたInstagramが国内で3,300万人のアクティブユーザーをかかえており、facebookの2,800万人を大きく上回っていることからも(2019年6月時点)、資格的な情報の重要性がうかがえます。
飲食店の空間デザインは、明確なコンセプトに基づいて形作られていくのが一般的ですが、必ずしもそれが成功するとは限りません。では、空間デザインをより意味のあるものとするためにはどうしたらよいのでしょうか。
アミューズメントパークに学ぶコンセプトの一貫性
飲食店の場合、視覚的な情報となるのはインテリアだけではありません。料理はもちろん、従業員の服装や接客時の態度や表情など、目に見えるものすべてが視覚的な情報に含まれます。空間デザインがより意味あるものとなるためには、これら視覚的な情報が明確なコンセプトに基づいて一貫性を帯びている必要があるのです。
参考になるのがテーマパーク内のレストランです。東京ディズニーランドのなかにあるレストランを想像してみてください。どのレストランもテーマに基づいて外装・内装共にしっかり作り込んでいるのは多く方がご存知のはずです。
さらに、季節ごとの料理の盛り付け、従業員が着用しているユニフォーム、お客様に対するご挨拶の言葉まで、あらゆることが一貫したテーマ(ジャングル探検や宇宙飛行、豪華大型客船など)に基づいて演出されています。あらゆる視覚的な情報に目配りし、お客様にとって非日常的な体験を邪魔するものを徹底的に排除することで、「夢と魔法の王国」を実現しているといえるでしょう。
他では体験できない空間
程度の差はあるにしても、飲食店にやってくる方の多くは、業種や業態に関係なく、非現実的な体験を求めているといわれています。お客様に心地よい、また訪れたいと感じてもらうためには、内装だけでなくお店全体をトータルでデザインすることが重要です。体験そのものをデザインするといい換えることもできるでしょう。クリアデザインでは、コンセプトの立案から設計まで、他では体験できない空間の実現をサポートしています。新店舗出店される際は、ぜひご相談ください。