COLUMNコラム
何坪あればいい?飲食店開業前に知っておきたい広さの目安

物件の「広さ」は理想の店舗づくりの土台になる
飲食店の開業を目指すとき、立地や家賃と並んで悩みやすいのが「どのくらいの広さの物件が適しているのか」という点です。
特に初めての出店では、必要な坪数や厨房とホールのバランスが分からず、判断が難しいものです。
広さが決まらなければ、席数やレイアウト、導線、ひいては売上計画にも影響が出てしまいます。
そのため、立地や物件の外観と同じくらい、「適切な面積」をしっかり考慮することが重要です。
本記事では、飲食店に必要な広さを決める上で押さえておきたいポイントをわかりやすく解説していきます。
これから飲食店の開業を目指すオーナー様は、ぜひご参考ください。
物件選びの基準となる「厨房面積比率」とは?
飲食店の広さを考える上で、まず基準にしたいのが「厨房面積比率」です。
これは、物件全体の面積のうち、厨房がどれくらいの割合を占めるかを示すものです。
厨房の広さが決まると、残りがホール(客席)として確保できるスペースとなり、自然と席数の目安も見えてきます。
厨房が狭すぎるとオペレーションが非効率になり、広すぎると客席が減って収益性が落ちる恐れもあります。
そのため、業態に合ったバランスを見極めることがとても大切です。
業態ごとの厨房面積比率の目安
業種によって必要な厨房スペースは異なります。以下に代表的な業態の目安をまとめました。
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焼肉店:15~30%
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居酒屋:18~25%
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中華料理店:18~30%
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和食店:20~30%
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イタリアン:25~30%
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ステーキ店:35~40%
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ファミリーレストラン:35~45%
たとえばステーキ店やファミレスは調理工程が多く、大型の厨房機器を要するため、比較的広い厨房スペースが必要となります。
反対に、調理のシンプルな業態では、より多くのスペースを客席にあてることができます。
提供メニューの品数や調理方法、仕込みのスタイルなどを踏まえ、自分の業態に合った比率を検討してみましょう。
客席数を計算するための基本「席数/坪」目安
厨房の広さが決まったら、次はホールに確保できる面積と席数を考えます。
ここで参考になるのが、「1坪あたりに配置できる席数」の目安です。
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高級店・ゆったり型:1.5〜1.7席/坪
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標準的な飲食店:2.0席/坪
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大衆食堂・居酒屋など:2.5〜2.7席/坪
たとえば、客席スペースが15坪あれば、標準的なお店であれば30席前後、大衆型であれば約40席を配置することができます。
店舗のコンセプトに合わせて、座席の間隔やレイアウトを考慮することが大切です。
広さを踏まえて、リアルな売上シミュレーションを
「席数」と「回転率」は、飲食店の売上を左右する大きな要素です。
そのため、物件の広さから席数を割り出したら、それをもとに売上シミュレーションを行うことをおすすめします。
・1日の想定客数
・平均客単価
・想定回転率
これらの数字を入れていくと、現実的な売上計画が見えてきます。
この時点で理想と現実に差があれば、レイアウトや物件選定を見直すことで無理のない事業計画に近づけることができます。
広さの決定も、設計のプロと一緒に考えるのが安心
物件の広さは、お店の快適さや働きやすさ、売上にまで影響を及ぼす重要な要素です。
「何坪くらい必要か分からない」「厨房と客席のバランスに不安がある」といった場合は、開業前から設計のプロに相談するのが安心です。
東京渋谷区を拠点に活動する店舗設計のクリアデザインでは、飲食店をはじめとした店舗オーナー様の事業計画や店舗コンセプトを丁寧にヒアリングしながら、最適な広さ・動線・レイアウトをご提案いたします。
物件選びに迷った段階でも、ぜひお気軽にご相談ください。