COLUMNコラム

飲食店に係る「内装制限」の規定を理解する時の2つのポイント

理想のデザインに待ったをかける「飲食店の内装制限」

「自分の店は自分の理想のデザインに」と思われているオーナー様も多いかと思います。
しかし、飲食店は法律上「特殊建築物」に当てはまり、これがネックになります。
特殊建築物には、「内装制限」というものが適用され、この中でデザインを手がけていく必要があります。

内装制限については厳密に言えば、建築基準法第35条の2、建築基準法施行令第128条の3の2から第129条に定められており、建物内での火災発生時に、建物内部の火災を防ぐことを目的としています。

内装制限を理解するために店内の資材に関して火災の観点から見ていきましょう。

資材の違い

国により防火材料と呼ばれる資材が設定されています。
それには「燃焼しにくい」、「変形や亀裂などが入りにくい」、「有害なガスを発生しない」という3つの条件を満たしている必要があります。
さらにその防火材料の中でも3つのレベルがあります。

  • 難燃材料

難燃材料は難燃合板や難燃プラスチック板を中心として、仮に火災が発生したとしても5分間は火がつかない材料となります。※燃焼しないだけではなく、前述の3つの条件を満たす必要があります。

  • 準不燃材料

準不燃材料は木毛セメント板を中心として、仮に火災が発生したとしても10分間は火がつかない材料となります。※燃焼しないだけではなく、前述の3つの条件を満たす必要があります。

  • 不燃材料

不燃材料は石膏ボード(厚さ12mm以上)、コンクリート、れんが、瓦、アルミニウム、ガラスなどを中心として、仮に火災が発生したとしても20分間は火がつかない材料となります。※燃焼しないだけではなく、前述の3つの条件を満たす必要があります。
上記以外の材料でも国土交通大臣の認定を受ければ不燃材料としての使用が可能となります。

法律

それでは、どの場合に内装制限を義務付ける必要性が出てくるのでしょうか。
それは建築基準法と消防法から見て条件を満たしているかどうかに関わってきます。

  • 建築基準法

飲食店において1.2m以上の壁の部分や天井は制限の対象となります。

  • 消防法

消防法では燃えにくい素材を使用するように定められています。
飲食店においては壁や天井の室内に面する場所で使用するものが対象となります。
それは例えば、カーテンやブラインド、絨毯などがそれに当たります。
消防法の制限がかかる場合は防災対象物品を使用しなければならないので、使用しているものがそれらに該当するか予め聞いておきましょう。

「内装制限」を踏まえた店舗のデザインを

火災の防止や最小限の被害に抑えるためにあるのが内装制限です。
つまり、万が一の時に飲食店の被害を最小限に抑えるためにも、飲食店経営者が身につけておきたい知識になります。

私たちクリアデザインではコンセプトに沿った設計から一貫して経営者の店舗設計を支えております。
新店舗を出店のオーナー様で、内装制限の点でわからないことや、お困りでしたら、是非一度クリアデザインまでご相談ください。