COLUMNコラム
食品ロス対策に高い効果。いま注目を集めるサルベージパーティーとは?
ランニングコストの削減と同様、食品ロス対策に取り組むべき理由
消費者庁が平成30年に発表した「食品ロス削減関係参考資料」によると、日本の食品廃棄物は年間およそ2,842万トン。そのうち、食べられるにもかかわらず捨てられてしまった食品、いわゆる食品ロスは年間量にしておよそ646万トンに達しています。食品ロスのうち、飲食店など事業系のものは実に357万トン。全体の55%以上を占めていることになります。
こうした問題を背景に、国連では平成27年に「持続可能な開発のための2030アジェンダ」を採択。「持続可能な開発目標」として2030年までに小売・消費レベルでの世界全体の一人当たりの食品廃棄物を半分にすることが盛り込まれました。
飲食店を運営するためには、地代家賃や人件費、光熱費などの経費がかかります。ランニングコストのカットに余念がなく、食品ロス対策を行う余裕はなかなかないという飲食店オーナーの方も多いはずです。しかし、30%が妥当といわれる原価率を縮小することが見込まれたり、ブランドイメージの向上につながったりと、飲食店にとって食品ロスの削減に取り組むメリットは決して少なくありません。
食品ロス対策の取り組みとして注目を集めるサルベージパーティ
このところ、飲食店のあいだでは、食品ロスの削減に向けた取り組みが増え始めています。なかでもとくに注目を集めているものの一つが、サルベージパーティです。これは、各家庭から持ち寄られた消費しきれない食材をシェフが料理するイベントのこと。英語の「サルベージ(salvage)」という用語に「海難救助」という意味があることから、そのように呼ばれています。
サルベージパーティーの最大の目的は、余剰食材を使ったプロのシェフによるおいしい料理を提供することで、食品ロスの問題について考える機会を提供することにあります。冷蔵庫の整理法などについて学ぶワークショップがあわせて開催されているケースも多く、消費しきれない食材の調理法をプロから学んだり、互いに情報交換できたりと、参加者の食品ロスに対する意識が消費者のあいだで大いに高まることが期待されています。
サルベージパーティーは飲食店にとってもメリットが少なくありません。飲食店が中心になってイベントを積極的に開催することで、店舗の知名度が高まったり、ブランドイメージが向上したりといった効果も期待できるからです。
食品ロスやリサイクルなど環境にも配慮した店舗づくりをサポート
クリアデザインでは、単なるクライアントとコントラクターという関係ではなく、店舗の一員として積極的にお店づくりに関与させていただいています。食品ロスの削減についても、当事者としての意識を持って、ブランディングを含めた店舗デザインをコンセプトからご提案。新店舗出店をお考えのオーナー様は、ぜひお気軽にご相談ください。