COLUMNコラム
食中毒対策のために飲食店経営者が覚えておくべき「HACCP」
夏だからこそ「食中毒」の脅威に気をつける
今年も日本の夏がきます。
多くの人は夏休み、お盆休みなどがあり、消費者もついつい財布の紐が緩んでしまうため、飲食店にとっては売上増を狙うチャンスでもあります。
一方で、夏は飲食店にとって注意しなくてはならない時期でもあります。
なぜなら、食中毒が起こりやすい時期でもあるからです。
よく、夏に屋台でカレーを売る店などは食中毒を大量に起こしてしまうケースが過去にもありました。
そうなってしまっては、店の印象は非常に悪くなり、今後の存続の危機ともなります。
夏には0-157(腸管出血性大腸菌)、カンピロバクター、サルモネラ、黄色ブドウ球菌など夏特有ともいえる菌がたくさん繁殖してしまいます。
食中毒はお客様の体調を崩し、最悪の場合死に至らしめてしまう可能性もあるため、飲食店は衛生管理に関して本当に注意しなければならないと言えるでしょう。
飲食店が意識するべき「HACCP」とは?
「HACCP」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
これは飲食店が衛生管理をする方法のことで、多くの場合、日本の厚労省が設定したものを意味します。
この「HACCP」にはいろいろな種類があるのですが、通常の飲食店では「リテイルHACCP」というものに沿って衛生管理をすべきとされています。
もちろん、このHACCPを実践することは夏特有の食中毒対策にも有効ですので、飲食店経営者としては是非実践しておきたいものとなります。
HACCPの基本としては
- 設備の整備と衛生管理
- 従事者の衛生教育
- 施設整備、機械器具の保守点検
- そ族昆虫の駆除
- 使用水の衛生管理
- 排水及び廃棄物の衛生管理
- 従事者の衛生管理
- 食品等の衛生的な取扱い
- 製品の回収プログラム
- 製品等の試験検査に用いる設備等の保守管理
という一般的衛生管理の10項目の徹底が基本となります。
加えて、HACCPを実践していくには「どのペースで行うか」という頻度や、「誰が行うか」という担当者の設定、そして、作業後の確認、記録なども大切になってきます。
よく、コンビニやチェーン店などで、トイレの横などに、清掃記録がかかっているものを見たことがある人もいるかもしれませんが、あのような取り組みが食中毒回避に大きく影響するといっても過言ではありません。
HACCPの後は調理プロセスでの衛生管理
上で述べたHACCPは、あくまで衛生的な場所を作るための取り組みです。
それだけでは実はまだ、危険性があり、調理の各プロセスにおいても菌の感染など注意をしていくべきでしょう。
例えば、飲食店は冷蔵庫の開け閉めが多く、冷蔵庫温度が高くなってしまうことから、食品鮮度が落ちてしまう場合があります。また、サラダなどの盛り付けの際、人の手から感染したり、盛り付ける皿の洗浄が足りず感染したりする場合もあります。
予防策を十分に練った食事の提供を
このように、特に夏は他の季節より一層食中毒対策に力を入れて取り組まなければなりません。
夏に向けて、売上を順調に伸ばしていくためにも予防策を十分に練った食事の提供をしていきましょう。