COLUMNコラム

サービス料の導入は慎重に。飲食店が気を付けるべきポイント

飲食店にはサービス料という独特の文化があり、実質的な飲食代とは別に料金を請求するお店があります。
近しいもので居酒屋の「お通し」も、サービス料と考えて良いでしょう。
元々は欧米文化であるチップ文化から影響を受けているため、西洋料理の高級レストランなどではサービス料が含まれることは常識となっています。

店側にとってサービス料(お通し代)は、実質的な飲食代に加えて、さらに数百円~数千円の売上の見込めるシステムです。
そのため、できることなら活用したい手段の一つに違いありません。
しかし、サービス料の導入には注意が必要です。

なぜなら、サービス料やお通し代に不満を抱くお客様もいるからです。
チップ文化の無い日本では、満足のいく体験ができなかったうえにサービス料まで支払うとなれば、お店の印象が悪くなることは避けられません。
反対に、満足のして頂ける体験を提供できるのなら、サービス料を取っても問題はないのです。

そこで当記事では、サービス料導入時に飲食店が気を付けるポイント

・日本の飲食店におけるサービス料は慎重に
・お客様の期待度を高め、満足度で応える空間に
・空間設計からサービスを考えた店づくりを

以上の3つをテーマに解説します。

日本の飲食店におけるサービス料は慎重に


日本では欧米のチップ文化のように、実質的な飲食代以外に料金が発生することに馴染みがありません。
そのため、サービス料やお通し代を払うことへのお客様の心理ハードルは高いといえます。
社会的にも増税や年金問題などで消費が落ち込んでいる真っ只中です。
なおさら、想定外の出費には敏感になります。

そのため、すでにサービス料をお会計に加えている場合は、事前にお客様へサービス料の存在を知らせる必要があります。でなければ、会計時に文句を言われることはなくとも、過ごした時間に満足できていなかった場合、二度と来店してくださることはないでしょう。

先述したように、飲食店の売上の視点から見ると、サービス料は重要な利益です。消費も落ち込み、客単価上げることが課題となる飲食店にとって、頼りたくなるシステムでもあります。しかし、安易に頼り導入することは絶対に辞めましょう。

高級レストランではほぼ、サービス料込みのお会計になりますが、その分、確かな技術を持つサービスマンや、非日常感のある上質な空間あってのものです。
中間層向けの一般的な飲食店で、高級レストラン同等のサービスができない、もしくは価値の提供ができないのであれば、考え直しましょう。

反対に、居酒屋などでお通し代を数百円取るのなら、原価を極力下げてサービスしてしまった方が、喜ばれるだけでなく他店との差別化にも繋がります。

お客様の期待度を高め、満足度で応える空間に


サービス料やお通し代は、お客様にとっては無いに越したことはありません。
しかし、お客様自身もお通し代程度であれば、掛かって当たり前という認識でいらっしゃることも事実です。

だからこそ、お通しに力が入っている飲食店は、お得な気持ちになりやすく印象がとてもよくなります。
またお客様側の心理として、お通しの質が良いと、その他の料理への期待も自然と高まります。
お客様は飲食店にエンタメ(刺激や楽しさ)を求めています。

そのため、客単価の向上や、リピーター作りなど、全ての事柄において、いかにお客様に楽しさを提供できるかが重要なポイントです。
サービス料や、お通し代は飲食店にとって貴重な収益源の一つ。
だからこそ、飲食店が考えるべきは「お客様に満足してもらうこと」ただ一択です。

空間設計からサービスを考えた店づくりを

サービス料やお通し代は、貴重な収益源になる代わりに、満足頂けなかった場合は悪評に拍車を掛ける諸刃の剣です。
飲食店が第一に考えるべきことは、サービス料を取るにふさわしい価値を提供できているか否かです。

料理はもちろんですが、お客様の心理面にも目を向けましょう。
特に空間への配慮は重要です。
隣席との距離、圧迫感はないか、空調、照明など全体像を見て検討してみましょう。
新規出店や次店舗を検討されている場合は、サービス料の導入も込みで検討することで、より明確な設計イメージを持てるでしょう。

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