COLUMNコラム

海外では一般的になりつつあるベジタリアン・ヴィーガンの食文化。日本でもベジタリアン・ヴィーガン志向は徐々に注目されており、今後ますます需要は高まっていくでしょう。食事のマイノリティに対応したメニューを作っておくことで、イスラム教などさまざまな文化を持つ外国人観光客にも喜んでもらえるお店になります。そこで今回は、飲食店のベジタリアン・ヴィーガン対応についてご紹介します。

ベジタリアン・ヴィーガンとは？

そもそもベジタリアンとヴィーガンとは何なのか、どういった違いがあるのかよく分からないという人も多いのではないでしょうか。双方の特徴を見ていきましょう。

ベジタリアン

ベジタリアンとは、さまざまなタイプがある「菜食主義者」の総称です。一般的には肉や魚などを摂取しない人々のことを指します。豆腐や大豆、グルテンミートなどを肉の代わりに食べます。ベジタリアンは体の健康を重視する傾向にあり、肉や魚を食べないことで病気や早死にのリスクを取り除きたいという考えを持つ人が多いです。

ヴィーガン

ヴィーガンとは、肉や魚だけでなく、卵、はちみつ、乳製品などの動物性食品も摂取しない「完全菜食主義者」と呼ばれる人々を指します。かなり食事が制限されそうですが、はちみつの代わりにメープルシロップ、牛乳の代わりに豆乳を使うなど、代替食品をうまく活用することで普通と変わらない食事を楽しめるお店も増えてきています。「一切の動物を苦しめることなく生きたい」という想いから、心と体の健康を守るためにこうした食生活を送る人が多いです。

ハラルフード

ベジタリアンやヴィーガンとは異なりますが、ほかにも食事に制限のある人々がいます。生活全般において戒律がある、イスラム教徒の人々です。食べ物に関しても「食べてよいもの」と「食べてはいけないもの」が細かく決まっており、その中で食べてよいものを「ハラルフード」と呼びます。

イスラム教において全面的に禁じられているのは、豚肉とアルコール。豚と接触した食品も禁じられており、豚肉から抽出したエキスや、豚を調理した道具を使って調理された料理、豚が配合されている餌を食べた家畜などもすべて禁止となります。ほかにもさまざまな厳密なルールがあるため、専門機関による「ハラル認証」を受けなければハラルフードとは認められません。ハードルは高いですが、ベジタリアンやヴィーガンに特化したお店作りをするなら、ハラルフードにも対応できるとよりお客さんの幅を広げられます。

ベジタリアン・ヴィーガン対応

「ベジタリアン・ヴィーガン対応のメニューを作りたい」と思っても、自分自身がその食生活を送っていなければ難しいもの。そこでここでは、メニュー作りの具体的なポイントをご紹介します。

まずはサラダから充実させる

いきなり何種類もメニューを開発するのは大変なので、まずはサラダから充実させるのがおすすめです。副菜としてのサラダは既にあるかもしれませんが、ベジタリアン・ヴィーガンの人たちにもお腹いっぱいになってもらうためにはそれだけでは足りません。豆や豆腐を加えてボリュームアップさせれば、メインにもなるサラダメニューになります。

コンセプトに合ったベジタリアンメニューを

ベジタリアン・ヴィーガンの人々が通いたくなるお店にするためには、コンセプトに合ったメニューを用意することが大切です。ベジタリアン・ヴィーガンの人も、お店選びの基準はふつうの人と同じ。「ベジタリアンメニューなら何でも良い」というわけではなく、和食やイタリアン、中華など、「これが食べたい」というニーズがあってお店を決めます。お店のコンセプトに合わないメニューは、ミスマッチを生んでしまいます。理想は、ベジタリアン・ヴィーガンの方でも楽しめるお店の一押し商品を作ること。代替食品を活用して満足度の高いメニューを作りましょう。

「V」マークで表記する

せっかく作ったベジタリアン・ヴィーガンメニューを広く知ってもらうために効果的なのが、「V」マークです。「V」マークは、ベジタリアン対応をアピールするためのマーク。これが付いていると、「ベジタリアンメニューを用意しているお店」と一目で分かります。欧米でも使われているので、外国人観光客でも分かりやすいです。「V」マークの認証制度もありますが取得は必須ではなく、お店の判断で自由に使用できます。

ベジタリアン・ヴィーガンの方からも愛される店づくり

今回は、飲食店のベジタリアン・ヴィーガン対応についてご紹介しました。ベジタリアン・ヴィーガン用のメニューは需要が高まってきているとはいえ、まだまだ対応する飲食店が少ないのが現状です。早くから対応しておくことで、お客様の幅を広げられて、ほかのお店よりも一歩リードできます。代替食品を活用して、お店のコンセプトを活かしたメニューを作ってみてください。

クリアデザインは、設計から施工までを一貫して請け負う店舗設計事務所です。「人間中心設計」をコンセプトに、オーナー様の夢やこだわりを叶えつつも、飲食店としても機能性や社会性なども兼ね備えた設計プランをご提案しています。無料でご相談も承っておりますので、ぜひお気軽にご相談ください。