COLUMNコラム

飲食店の印象を左右する!「壁」の素材選びのポイント

飲食店の内装デザインを考えるときは、内装の中で大きな面積を占める「壁」が重要なポイントとなります。空間の仕切りとしての役割だけでなく、飲食店の雰囲気を左右したり、POPを貼って売上アップに繋げたりすることもできます。そこで今回は、壁の素材それぞれの特徴と選び方のポイントをご紹介します。

クロス(壁紙)

クロスは「壁紙」とも呼ばれ、一般の住宅でも多く使用されている代表的な壁材です。クロスの中にもさまざまな種類があり、素材によってビニールクロス、紙クロス、織物クロスの3種類に分類されます。

ビニールクロス

ビニールクロスは、塩化ビニールを主な素材とするクロスです。リーズナブルかつ機能性に優れており、色やデザインのバリエーションが豊富なので飲食店の雰囲気に合ったものを選べます。

紙クロス

パルプや再生紙、和紙などを原料とした紙クロスは、調湿効果があり上品な質感が特徴です。コストは高いものの趣ある風合いなので、割烹料理店など高級感のある内装におすすめです。

繊維クロス

織物クロスは、レーヨンやポリエステルなどの合成繊維、絹や麻などの天然繊維を原料とした布製のクロスです。高級感があり、自然な風合いが特徴です。布なので破れにくいものの、汚れが落ちにくいため飲食店の形態によっては向かないこともあるでしょう。

塗り壁

塗り壁は、珪藻土や漆喰を使用した壁材です。左官職人が手で仕上げることで、自然で柔らかな質感を生み出してくれます。調湿性や断熱性、防火性など機能性に優れており、和の趣のあるテイストに仕上がります。コストが高く施工に時間がかかるため、できるだけ自分でDIYして経費削減する手もあります。

木質系壁材

木質系壁材は、無垢材や化粧合板の板を壁に張って仕上げたものです。木材ならではの温かみのある風合いと香りで、居心地の良い癒しの空間をつくることができます。特に無垢材は、調湿性や吸音性にも優れており、火を使う飲食店にも向いています。年数が経つにつれて色が変化し、味わい深くなっていくのも魅力です。しかし経年劣化はしやすい自然素材なため、定期的にメンテナンスを行う必要があります。

タイル

タイルは色やデザイン、質感などのバリエーションが豊富で、どの飲食店にもマッチする壁材です。耐久性と防火性に優れており、中には抗菌や防汚加工が施されているものなどより機能性に優れたタイルもあります。コストがかさむため、壁全面に取り入れるよりもアクセントとして一部に取り入れるのがおすすめです。

コンクリート

現代的でスタイリッシュな雰囲気にしたいなら、コンクリートがおすすめです。防火性と防音性に優れており、機能性とデザインを両立できます。

ただコンクリートの壁は、意外とコストがかさむのが難点です。「コンクリートの打ちっぱなしなら安く済みそう」と思われる方もいますが、配線を隠すことに手間とコストがかかります。また熱伝導性が高く「夏は暑く、冬は寒い空間」になるため、空調の費用もかさみます。

飲食店の印象は「壁」で決まる!

今回は、壁の素材それぞれの特徴と選び方のポイントをご紹介しました。飲食店の内装の雰囲気をがらりと変える壁。壁にはさまざまな素材があり、見た目だけでなく機能性も異なります。つくりたいお店の雰囲気や予算、求める機能に合わせて、ベストな素材を選びましょう。

クリアデザインは、設計から施工までを一貫して請け負う店舗設計事務所です。「人間中心設計」をコンセプトに、オーナー様の夢やこだわりを叶えつつも、飲食店としても機能性や社会性なども兼ね備えた設計プランをご提案しています。無料でご相談も承っておりますので、ぜひお気軽にご相談ください。