COLUMNコラム
「No show」をなくすには?飲食店のドタキャン対策について解説
「No show」による年間損失額は約2,000億円
飲食業界のなかで「No show」が大きな問題となりつつあります。「No show」とは、予約した時間になってもお客さまがお店にあらわれないこと。
無断キャンセルされた上、キャンセル料金を回収することもできないため、店舗側は大きな損害を被ってしまいます。用意した料理が無駄になってしまうだけでなく、仕事への対価も支払われないため、飲食店にとっては深刻な問題といえます。
こうした事態を受け、経済産業省では平成29年に「サービス産業の高付加価値化に向けた外部環境整備等に関する有識者勉強会」を実施。飲食店での無断キャンセルに対する対策をまとめた「No show対策レポート」を発表しました。
当レポートによると、「No show」の被害額は年間でおよそ2,000億円にのぼり、1日ないしは2日前に発生するものを加えると、キャンセルの発生率は6%以上に達し、その被害額は1.6兆円とも推測されています。
令和元年には、居酒屋に団体予約を入れ、無断キャンセルした59歳の男が偽計業務妨害の疑いで逮捕される事件も発生しています。立件が難しい「No show」ですが、この事件を機に注目されるようになり、多くの飲食店が取り組みを始めています。
「No show」を防ぐための方法
では「No show」を防ぐにはどうしたらよいのでしょうか。完全に防ぐことは困難ですが、「No show」の数を減らす上で、以下の対策が有効といわれています。
予約確認を徹底する
まずは予約確認の徹底です。予約を受けたら当日までただ待つのではなく、電話やメールなどでお客さまとのコミュニケーションをとることが最大の「No show」対策といえるでしょう。
その際、電話対応が高圧的であれば、それが理由でキャンセルになることも、徹底した接客指導で、お客様の信頼を得ることが欠かせません。
止むを得ないキャンセルの連絡をしやすく
「No show」が起きる理由の一つに、キャンセルの方法がわからないというものがあります。とくにWeb上の予約サービスを利用する場合に多く、結果的に「No show」となってしまう例も少なくないようです。
キャンセルの連絡をしやすく整備しておくことで、「No show」が防げれば、食材の無駄や他のお客さまをお断りしなくてはならないケースも減少するはずです。
キャンセルポリシーを提示する
予約があった際、場合よってはキャンセル料が発生することをきちんと伝えるのも有効です。「前日の場合は50%、当日であれば100%のキャンセル料金をいただきます。」など、キャンセルポリシーがあることを知らせるだけでも、「No show」の発生率の抑制が期待できます。
デポジット制度の導入
デポジット制度を導入するのもおすすめです。予約をWebのみに限定することができれば、登録されたクレジットカードから事前に、あるいはキャンセル時に自動的にキャンセル料を引き落とす仕組みを導入している店舗もあるようです。
「No show」のない、リピーターに愛されるお店づくりを目指して
連絡なくキャンセルするお客さまの多くは新規顧客。つまり、リピーターの多い店舗では「No show」が発生しにくいといわれています。クリアデザインでは「人間中心設計」をテーマに、リピーターを増やすのに効果的な特別感ある快適な店舗づくりを、コンセプトの立案からサポートしています。新店舗出店される際は、ぜひご相談ください。