COLUMNコラム

「もったいない」を減らそう。飲食店の食品ロス対策

飲食店で長く働いていると、はじめは「もったいない」と思っていたのに感覚が麻痺し、食品を捨てることにだんだん慣れてきてしまったという方も多いのではないでしょうか。昨今は、まだ食べられる食品が捨てられる「食品ロス(フードロス)」が社会問題となっています。食品ロスは環境に良くないだけでなく、飲食店の利益も圧迫します。そこで今回は、飲食店が今取り組むべき食品ロス対策についてご紹介します。

売り切り方式を採用する

食品ロスを防ぐために効果的なのが「売り切り方式」です。売り切り方式とは、無駄な在庫を持たずに「1日5食限定」などと数を限定して売り切る方法です。あらかじめ仕入れ数を「〇食分」と決めておけるので、食材ロスを大幅にカットできます。さらに数を限定することでプレミアム感を演出できて、人気メニューになることも。すべてのメニューに採用しなくても、原価の高いメニューや仕込みに手間がかかるメニューのみ採用するのもひとつの手です。食材ロスを防ぎつつ、人件費のロスも防げます。ただし数を限定することで、お客さんのニーズに応えられなくなるというデメリットもあるので要注意です。

提供時にも食材ロス削減を呼びかける

どれだけ飲食店側が対策をしていても、実際に食べるのはお客さん。在庫の食材だけでなく、提供してけれど食べられず残されてしまった食材も「食材ロス」です。食材を捨てるのにも手間がかかり、ゴミ袋の費用もかかるので、お店にとっても不利益です。「適量注文」や「食べきり」を卓上POPで周知するなど、提供時にも食材ロス削減を呼びかけましょう。「環境に配慮しているお店」として、イメージアップにもつながります。食べきってもらえるように、小盛りのメニューをつくったり、ご飯の基本の量を減らしておかわりを無料にしたりするのも効果的です。

フードシェアリングサービスを活用する

飲食店を経営している限り食材ロスを完全になくすのは難しいです。そこで活用したいのが、フードシェアリングサービス。食品を無駄にしたくない飲食店と、なるべく安く食べたい消費者をWebでつなぐサービスです。欧州では一般的ですが、日本ではまだまだ目新しい取り組み。閉店時間や商品の入れ替え時間が近づいて食品ロスが出そうになると、店舗はWeb上で価格や引き取り時間などを掲載します。それをユーザーが、電子決済で購入。直接店舗まで引き取りに来てもらうことで、余計な手間をかけることなくスムーズに食材ロスを防げます。

飲食店が取り組むべき食材ロス対策

今回は、飲食店が今取り組むべき食品ロス対策についてご紹介しました。食材ロス対策は、環境に良いだけでなくお店の利益にも直接つながる取り組みです。食材ロスをゼロにするのは難しいですが、メニュー内容や提供の仕方を工夫することで大幅に削減できます。できることから少しずつ始めてみましょう。

クリアデザインは、設計から施工までを一貫して請け負う店舗設計事務所です。「人間中心設計」をコンセプトに、オーナー様の夢やこだわりを叶えつつも、飲食店としても機能性や社会性なども兼ね備えた設計プランをご提案しています。無料でご相談も承っておりますので、ぜひお気軽にご相談ください。