COLUMNコラム
飲食店のイメージが一変!屋根の形の種類と選び方
飲食店を建築するにあたって、意外と見落としがちなのが屋根の形状です。よく見る三角屋根やフラットな屋根以外にも、屋根の形状にはさまざまな種類があります。種類によって見た目の印象が大きく変わるだけでなく、建築コストやメンテナンスの手間などもそれぞれ異なります。弊社では新築工事も承っており、一棟ものの工事もお任せいただけます。そこで今回は、屋根の形の種類と選び方について詳しくご紹介します。
屋根の種類
屋根の形状は、下記のようにさまざまな種類があります。
- 三角形の「切妻屋根(きりづまやね)」
- 一方向にのみ傾斜がつけられた「片流れ屋根(かたながれやね)」
- 4方向に屋根の面がある「寄棟屋根(よせむねやね)」
- 陸棟がない四面構成の「方形屋根(ほうぎょうやね)」
- 勾配がなくフラットな「陸屋根(りくやね・ろくやね)」
- 切妻屋根と寄棟屋根を重ね合わせた「入母屋屋根(いりおもややね)」
- 袴のような形状の「はかま腰屋根(はかまごしやね)」
- 2階建ての1階部分に取り付けられた「差し掛け屋根・招き屋根(さしかけやね・まねきやね)」
- 切妻屋根の中央の一部を持ち上げたような「越屋根(こしやね)」
- のこぎりの刃のように片流れが連なった「鋸屋根(のこぎりやね)」
- 蝶の羽が広がったような形状の「バタフライ屋根」
中でも一般的な建築物に使われるのは、切妻屋根、寄棟屋根、方形屋根、片流れ屋根、陸屋根の5種類の屋根の形です。ここでは、それぞれの特徴とメリット・デメリットについて見ていきましょう。
切妻屋根
切妻屋根は構造がシンプルなため施工が比較的簡単で、初期コストは最も抑えられます。雨漏りの危険性が低く、雨や雪を効率的に落としやすいため屋根が倒壊するリスクも抑えられます。日光や雨水が直接当たる妻側の壁が、劣化が進みやすい点はデメリットです。
寄棟屋根
寄棟屋根は4面に屋根があるため、各方位の外壁を紫外線や風雨から守れて耐久性が高いことがメリットです。雨や雪も分散して流すことができます。またどの方向から見ても重厚感と安定感があり、落ち着いた雰囲気のある外観になります。
デメリットとしては、屋根面が増える分、建築やメンテナンスにかかるコストが高くなりがちです。また構造がシンプルな切妻屋根に比べると、雨漏りのリスクもやや高くなります。
方形屋根
ピラミッドのような形をした方形屋根は、寄棟屋根と同様に、屋根面が4面あるため頑丈で安定感があります。寄棟屋根にある直線状の棟「大棟」が方形屋根にはないため、棟が少ない分雨漏りのリスクも寄棟屋根より低くなります。
方形屋根を設置するには、下の建物が正方形に近い形にしなければならないため、設計に制限がある点がデメリットです。また全ての屋根が三角形のため、ソーラーパネルの設置には不向きです。
片流れ屋根
片流れ屋根は、デザイン性に優れたスタイリッシュな形状のため、近年人気が高まっている屋根です。屋根面が1面だけのシンプルな構造なため、工事費用やメンテナンス費用が抑えられます。省スペースで、屋根裏の空間も広く活用できることもメリットです。
しかし棟から雨漏りしやすく、傾斜の角度によっては豪雨や豪雪によって雨樋が破損するリスクもあるため注意が必要です。屋根で外壁があまり守られない分、外壁が劣化しやすいデメリットもあります。
陸屋根
陸屋根は、屋上として有効活用することができる点が最大の魅力です。フラットな形状で、モダンですっきりとした印象に演出できます。出入りや確認がしやすく、メンテナンスも容易です。
陸屋根はほぼ勾配がない形状のため、水はけが悪く、雨漏りのリスクがやや高い点がデメリットです。また屋根と居室の天井との間に空間が少なく、ほかの屋根と比較すると断熱性は劣ります。
理想に合った屋根の形状を選ぼう
今回は、屋根の形の種類と選び方について詳しくご紹介しました。屋根の形状にはさまざまな種類があり、デザインや機能も多岐にわたります。どんなお店の雰囲気にしたいか、建築やメンテナンス費用にどれだけかけられるかなどを検討し、理想の屋根を見つけましょう。
クリアデザインは、設計から施工までを一貫して請け負う店舗設計事務所です。「人間中心設計」をコンセプトに、オーナー様の夢やこだわりを叶えつつも、飲食店としても機能性や社会性なども兼ね備えた設計プランをご提案しています。新築工事も承っており、無料でご相談も承っておりますので、ぜひお気軽にご相談ください。