COLUMNコラム
防災の季節に見直したい|飲食店の地震・火災対策と店舗づくり
9月1日の「防災の日」をきっかけに、ご家庭や職場で備えを見直す方も多いのではないでしょうか。
飲食店は、火を使う厨房があり、営業中は多くのお客様が滞在する場所です。地震や火災が起きたときに、お客様とスタッフの安全を守れるかどうかは、日頃の備えと店舗のつくりに大きく左右されます。
この記事では、飲食店が押さえておきたい防火のルールと、店舗設計の段階からできる地震・火災対策をご紹介します。
これから飲食店を開業されるオーナー様は、ぜひご参考ください。
飲食店が押さえておきたい防火のルール
飲食店には、消防法に基づくさまざまなルールがあります。ここでは、小規模な店舗でも関わりやすいものをご紹介します。
火を使う飲食店には消火器が必要
以前は延べ面積150平方メートル未満の飲食店には消火器の設置義務がありませんでしたが、令和元年10月1日からは、コンロなど火を使用する設備や器具を設けた飲食店について、延べ面積にかかわらず消火器の設置が義務付けられています。
調理油過熱防止装置など、防火上有効な措置が講じられている場合は除かれます。
また、設置した消火器は6か月ごとの点検と1年に1回の消防署への報告が必要です。設置場所は、いざというときにすぐ取り出せる位置を設計段階で決めておきましょう。
収容人員によっては防火管理者が必要
飲食店など不特定多数の人が利用する用途がある建物で、建物全体の収容人員が30人以上になる場合は、防火管理者の選任が必要です。
収容人員はお客様だけでなく従業員も含めて算定し、テナント単位ではなく建物全体で判断されます。客席数を決める段階で、管轄の消防署へ確認しておくと安心です。
店舗設計でできる地震対策
地震の際にけがや二次被害を防ぐためには、内装や家具の計画も大切です。
棚や什器を固定する
食器棚やワインラック、厨房の棚などが倒れたり、中身が飛び出したりすると、お客様やスタッフがけがをするおそれがあります。
造作家具や棚は壁や床に固定し、食器や瓶を並べる棚には落下防止のバーを設けるなど、設計段階から対策を取り入れましょう。
照明やガラスの安全性を確認する
ペンダントライトなど天井から吊り下げる照明は、揺れで大きく振れたり、落下したりする可能性があります。取り付け方法や下地の補強を確認しておくことが大切です。
大きなガラス面やガラスの間仕切りを採用する場合は、飛散防止フィルムなども検討しましょう。
避難経路をふさがない
客席数を増やしたいあまり通路が狭くなったり、入口周りに物が置かれたりすると、いざというときに避難しにくくなります。
通路や出入口を常に確保できるよう、収納の場所も含めて計画しておくことが大切です。
火災を防ぐための内装の考え方
厨房周りや客席の内装には、建物の条件によって燃えにくい材料の使用が求められる「内装制限」がかかる場合があります。
木材などの自然素材を使いたい場合も、使う場所や範囲を工夫することで、安全性とデザインを両立できることがあります。また、コンロ周りの壁や排気フードは油汚れがたまりやすいため、清掃しやすい仕上げにしておくことも火災予防につながります。
まとめ
飲食店の防災対策は、消火器の設置や防火管理者の選任といったルールを守ることに加え、棚や照明の固定、避難経路の確保、燃えにくく清掃しやすい内装など、店舗設計の段階から取り組めることが多くあります。防災の日をきっかけに、自店の備えを一度見直してみてはいかがでしょうか。
店舗設計のクリアデザインは、東京渋谷区を拠点におく設計事務所として、法令に沿った安全性とデザイン性を両立した店舗設計をご提案しています。お客様とスタッフが安心して過ごせる飲食店づくりをサポートいたします。
無料でご相談も承っておりますので、店舗設計に強い設計事務所をお探しのオーナー様は、ぜひ一度クリアデザインまでご相談ください。